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ミニコラム 「橋のこころ」

『しんとしずかな、ほん』

2022-09-03
 キッズホールに「オアシス」という、しずかなかくれがスペースができています。そしてオアシスの前にある本棚には、大人の方にも手に取っていただきたい、おすすめの絵本も並べていますので、よろしければお手に取ってみてください。今回はそんな絵本の中から一冊をご紹介します。

 『しんとしずかな、ほん』
 作: デボラ・アンダーウッド/絵: レナータ・リウスカ/訳: 江國香織
 2011年 光村教育図書

 しずかなときって、どんなときでしょう。
 ふとした瞬間の「しんとしずかなとき」には、いろいろなものがありますよね。
 例えば、「ジャムサンドをひっくりかえしてしまったときのしーん」や、「ジェットコースターのてっぺんのしずかさ」、あるいは「ふかいみずのなかをおよぐしずかさ」など。
 それはときに心地よく、ときにあたたかで、ときに何とも言えない気まずさや、さみしさを感じる瞬間です。

 でも、あっという間に過ぎていく、にぎやかで慌ただしい毎日を過ごしていると、そんな「しんとしずかなとき」を見過ごしてしまうことがあるように感じます。
 オアシスのかくれがで、この絵本に描かれたそんな瞬間を感じると、その「しんとしずかなとき」の気持ちが心に浮かんで、ふっと深呼吸できるような気がします。
 あたたかいタッチで描かれた、どこかユーモアを含んだどうぶつたちの表情もかわいらしい絵本です。