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ミニコラム 「橋のこころ」

『イガイガ』

2022-09-24
『イガイガ』
さとうゆみか さく 福音館書店 2008年

 この絵本に出てくるのは、表紙にも描かれたイガイガたちです。
 小さな川のほとりにすんでいたあかいイガイガたちは、時々川に流れてくるどんぐりをひろって、おもちについて食べるのがとっても楽しみでした。ところがある日、川の反対側にあおいイガイガたちが家をつくり、すみはじめたのです。

 どんぐりをめぐって諍いとなったイガイガたちですが、最後には仲良くなって、みんなで一緒に暮らしましたというハッピーエンドの絵本です。どうやって仲良くなったのかはぜひ絵本を手に取ってみてください。

 この絵本、実はちょっと深読みしてみたくなるポイントがあります。
 あかいイガイガとあおいイガイガ、最初はそれぞれ違うイガイガのように見えていたのですが、よく見ると、あかいイガイガの中に、ちょっとオレンジっぽいイガイガ、あおいイガイガの中に、ちょっと水色っぽいイガイガがいることに気が付きました。
 もしかしたら、あかとあおは違うイガイガだと思っていたけれど、そんなことはなく、色がちがうように見えてもそれはグラデーションで、おなじ「イガイガ」だったのかもしれない。
 絵本には正解や間違いはありません。こんなちょっと深読みすぎかも?という読み方も、絵本のまた違った気づきや面白さを見せてくれるように思います。