ミニコラム 「橋のこころ」
『だいくとおにろく』
2022-11-05
ハロウィンからお化け屋敷づくりにつながっていっていった子どもたち。
お化けづくりはまだまだ発展を続けています。
今もたくさんのお化けたちがお部屋を飛び出し、ホールや渡り廊下、キッズホール、廊下までにぎやかです。
一方、ハロウィンではあまり出てきませんが、日本の代表的なこわいもののひとつが鬼です。
『だいくとおにろく』(松居直・再話 赤羽末吉・画 福音館書店 1962年)
この絵本は福音館書店の礎を築かれ、多くの人に読み継がれ愛されているたくさんの絵本を生みだされた松居直さんが遺してくださった1冊でもあります。
昔あるところに、流れが速くていつも橋が流されてしまう川がありました。
困ったむらの人たちは、ひとりの大工に頼むのですが、なんとその川には、大きな鬼がすんでいました。
鬼は大工に「目玉をくれたら橋をかけてやろう」と持ち掛けると立派な橋をかけてくれました。
さて、目玉をとられては困ると大工が逃げようとすると、鬼は「名前をあてれば、ゆるしてやる」というのです。
墨の濃淡と鮮やかな色彩で描かれた日本画は、勇ましさを感じるとともに、鬼や大工の愛嬌のある表情やしぐさにも惹かれます。
また昔話らしい言葉の響きがとても面白い絵本なので、ぜひ声に出して読んでみていただきたいです。
