ミニコラム 「橋のこころ」
『さくら』
2023-03-27



今日、3月27日は「さくらの日」だそうです。
「 咲く(3×9)=27」の語呂合わせ、そして七十二候の一つ「桜始開(さくらはじめてひらく)」にあたる時期であることからだそうです。
『さくら』
長谷川摂子・文 矢間芳子・絵構成 福音館書店 2005年出版
道端の1本のソメイヨシノが描かれた、春になると手に取りたくなる美しい絵本です。
表紙の桜はまさに今の季節の桜そのものですね。
きっと、さまざまな人が足を止めて、桜の花を楽しんだことでしょう。
桜が咲いてやがて散り、小さな実をつけると新緑の季節になります。
夏になれば虫たちが集まり、秋には紅葉を迎えてその葉も散っていきます。
冬が来て冷たい風や雪がその枝をゆらす中、木はただそこにしずかにたたずみ、春を待ちます。
木はずっと、いきているのです。
そうしてめぐってきた春。
ちいさい手をとり、はなびらのゆくえをおいかけながら見た桜。
春の夜に凍えるように見た桜。
あたたかい陽ざしのもと、期待と不安を胸に抱いて見た桜。
今年の桜をながめながら、きっと誰もがかつて見た桜を思いかえし、そしてそばにいてくれた人のことを思うのでしょう。
「今年も桜が見られてよかった」
どうか皆様にとって大切な方とともに過ごされるこの春が、桜の花とともに、ずっとずっと大切な思い出となりますように。
今年度も一年間、有難うございます。
