ミニコラム 「橋のこころ」
『じめんのうえとじめんのした』
2023-04-08


新しい年度を迎え、園庭の樹々が芽吹くように、園でもあたらしいワクワクが生まれています。
今年度がどんな一年になるのか、いまからほんとうに楽しみです。
『じめんのうえとじめんのした』
アーマ E.ウェーバー ぶん・え 藤枝澪子やく 福音館書店 1968年出版
太陽の光を受けた樹々が、ぐーっと大きくからだをのばしているように見えるこの時期に、手に取ってみたくなる絵本です。
わたしたちの目にはふれることのない地面の下。
植物たちはそこにも、それぞれのやり方でいろんな根をのばしています。
たとえばポプラ。
あんなに高くまっすぐに伸びる木が、地面の中では横へ横へと根を広げるそうです。
すっきりとわかりやすい線画で描かれた、いろんな植物たちの地面の上と地面の下。
それを見ていると、実際にいま目の前で春の風に吹かれている柳、その地面の下にはどんな根が育っているのだろうとかと思います。
ーー
にっこうに あたった しょくぶつ だけが
くうきと つちから えいようぶつを つくります。
たいようが どんなに かんかん てっても、
どうぶつは くうきや つちから
えいようを とることは できません。
どうぶつは、しょくぶつを たべたり
しょくぶつを たべる どうぶつを たべたりして、
えいようを とらなければなりません。
だから、じめんの うえに すむ どうぶつも
じめんの したに すむ どうぶつも、
しょくぶつの おかげで いきているのです。
ーー
自分の目に見えているものは本当にわずかなこと。
だからこそ、そうしたものに思いを巡らせることを忘れないでいたいと思います。
