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ミニコラム 「橋のこころ」

『がたんごとんがたんごとん』

2023-04-14
あっという間に春らしいお天気が続く季節になりました。
まだ朝は肌寒いですが、園庭では時に暑いくらいの太陽のもと、こいのぼりがおよいでいます。

先日、ひまわりくみさんと絵本を読ませていただきました。
年少さんになり、またひとつおおきくなった顔のこどもたちと、いまの季節に一緒に読みたいなという3冊の絵本を選びました。
その中から1冊をご紹介します。

『がたんごとんがたんごとん』
安西水丸さく 福音館書店 1987年出版

表紙に描かれた汽車。
きりっと結ばれた口元とその表情に、頼もしくも微笑ましさを感じるようです。
汽車はがたんごとんがたんごとんとしっかり前に進みます。

のせてくださーい

そうして、次々と汽車に乗せてもらいたいものたちと出合います。
ほにゅうびん
コップとスプーン
りんごとバナナ
ねことねずみ

のせてくださーい
という彼らの声に、こちらが問いかけたわけでないのに、こどもたちは「いいよ」と答えます。

そして終点につき、いままで乗せてきたものたちとお別れです。
汽車はそのあとも前を向いて走っていきます。

がたんごとんがたんごとん

駅で乗せたいろんなものと別れ、また次の場所へと向かうその汽車の姿は、もしかしたらこどもたち自身と重なるのかもしれません。

みんなが自分らしく、おおきくなっていかれますように。
そんな願いを込めたひとときでした。