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ミニコラム 「橋のこころ」

『3わのことりのはなし』

2023-06-23
『3わのことりのはなし』
ブルーノ・ムナーリ/作 谷川俊太郎/訳 フレーベル館 2013年

この絵本にはちょっとふしぎなしかけがあります。
表紙をめくると、そこにあらわれるいつものようなページがなく、おおきな見開きに3わのことりが描かれています。

そして

ーー
3わの ことり、 ティオ、ティア、チが
どうして とりかごに いるのか しりたい?
では その わけを はなしてもらおうか。
ーー

まるで”わたし”がとりかごの前にいるかのように、絵本を手に取っている”わたし”に向けて、ことりたちがかたりかけてくれます。

はじめはティオのはなし。
おおきなきいろいとりのティオが、どうしてこのとりかごの中にいるのかが語られます。

ティオのはなしがおわると、続いてティアとチも、このとりかごに来るまでの話をしてくれます。

3わのはなしをききおわり、あらためてとりかごの3わを見ると、その3わが、実はいろんな偶然や必然のもと、このとりかごにいっしょにいるのだということに思いをはせます。
そしてこの3わが、どんなふうにいまもこのとりかごで過ごしているのか、そんなことを想像するのです。

物語を味わうことのひとつは、語られることばや、目に見えるものをもとに、語られないことばや、その先の世界、つまり描かれていない物語を思い描くことではないでしょうか。

絵本はこんなふうに、ほんとうにさりげなく、子どもたちに物語を味わうことのたのしさを感じさせてくれるものなのだと思うのです。