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ミニコラム 「橋のこころ」

『おこだでませんように』

2023-07-05

いま、絵本の廊下が天の川になっています。
色とりどりの半透明なフィルムを短冊にして、こどもたち、おうちの方、そして職員もみんな、星に願いをかけました。

どうか、みなさまのねがいごとがかないますように。


『おこだでませんように』
くすのきしげのり・作 石井聖岳・絵
小学館 2008年出版

いえでもがっこうでも、おこられてばかりの「ぼく」。
いもうとを泣かせたっておこられて、しゅくだいしてないっておこられて、ともだちとけんかしておこられる。

ーー
ぼくは、たなばたには、しょうがっこうに にゅうがくしてから
おしえてもらった ひらがなで、
いちばんの おねがいを かいた。
ひらなが ひとつずつ、こころを こめて かいた。

「おこだでませんように」

ーー

おこられたくなんかない。
こまらせたいわけじゃない。
おかあさんやせんせいに、「いいこだね」ってほめてほしい。

だって、だいすきだから。
「ぼく」をえがおでみてほしいから。

そんな「ぼく」のねがいに、胸がぎゅっとしめつけられます。

そして、表紙の涙をにじませながら横を向く「ぼく」のすがたに、いつかの我が子が重なってみえる気がしました。