ミニコラム 「橋のこころ」
『あんなにあんなに』
2023-12-28
『あんなにあんなに』
ヨシタケシンスケ ポプラ社 2021年出版
ちいさい人と過ごすあわただしい日々。
あんなに泣いて欲しがったおもちゃなのに、気が付いたらほったらかしになっていたり。
大泣きして手がつけられないほどだったのに、気づいたらいつの間にか笑っている。
いっしょになって泣いたり笑ったり、時には怒ったり、
そんな愛おしい日々が、ユーモアあふれるユニークな絵と絶妙な間によって描かれています。
何気ないひとこまひとこまを積み重ねるうちに、やがてちいさな手が大きくなって。
あんなにあんなにそばにいたのに、気が付くとちいさかった人はひとりでちゃんと歩いていて、手をつなぐことなんてなくなって。
過ぎてしまったあの頃を思うと、せつない気持ちになります。
でもきっと、どんなかたちでも大切な人がいてくれる「いま」を、めいっぱい大切にしよう。
この絵本をひらいたあと、そんな気持ちにさせてくれました。
今年も本当にありがとうございます。
どうかよいお年をお迎えください。